がくしだったりマイクロだったりすぎもとだったりするひとのメモとか。

ふろむだ『人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』(ダイヤモンド社)

はてなに昔からいる方ならご存知、分裂勘違い君劇場の fromdusktildawn さんが書いたビジネスハック的な本。ビジネスとかライフハックとか、普段この手の本は敬遠しているのですが、あの方なら「なんとなくそれっぽくて読んだら、なんか得たような気にさせるが、実は何も得られてない本」みたいなことはないだろう、ということで購入してみて、面白く読みました。ブログ風にかかれているせいか、全体の文字量は少ないです。ふろむださんのブログの読み指すさはすでにご存じの方も多いでしょうが、分量が少ない上に読みやすいので、東京駅で買って、幕張メッセに到着する前に読み終えてしまいました。

どいういう本かというと、まさにいまぼくが、書いた「この方ならないだろう」という判断をさせたのは、実力だけではなく「錯覚資産」とよばれる「見せかける力」によるものである、というからくりをバラしてしまった本なのですね。大学生の頃、友人と「ハッタリが一番の価値だよね」という話をして悦に入っていたけれど、当たらずとも遠からず、錯覚資産こそがそのハッタリであったことがわかりました(このエピソード自体、後知恵バイアス感あるけれどまあいいじゃないか)

心理学的な実験にも言及していますが、この世界はバイアスに満ちていて、そのバイアスが存在することを知っているかどうか、さらにはそれを知った上で利用できるかできないかでだいぶ違うように思います。個人的にはバイアスの中には知るとブレーキになってしまうものもあるんじゃないかなんて思うので本当は無意識にバイアスを利用できる人が最強だと思いますが、悲しいことに僕らのようなそれができないひともたくさんいまして、ただ、せめてそういうバイアスがあってそれを利用している人がいるんだよとを知ることは、無意識にバイアスを利用している人に負けにくくなるんじゃないかな、なんて思ったりします。

本書でも言及されていて、ぼくも覚えていますが、ふろむださんは以前ブログで、正反対の論を両方バズらせてそれなりの人数の人にうなずかせてしまったことがありまして(もちろんそのからくりに気づいた人もいますし、気づかないままどちらにも与しなかった人もいるでしょうし、正反対というのは言葉の綾で丁寧に読み解けば両論を同時に足り立たせうる立場がそもそもあったかもしれませんが、まあ大方の印象としてはあってるんじゃないかな)なんというか、実体験に裏付けを持った上で、学術的な知見を開示している感じがあります。実験が正しいく人間の認知の仕方を表現しているか、というのは議論もあることでしょうけれど、ふろむださんはそこまでたくさんのことは主張しておらず、個人的には説得力を感じました。

ただ、この本、だからどうしなさいということは書いてません。「成功するために○○をしなさい」みたいなことは一切書いてません。ただ、こういう仕組みになってますということだけ。からくりを白日のもとに晒すためだけの読み物、という方に僕はむしろ好感を持ちました。これもまあ著者の巧妙な手口も言えなくはないのですが、その事自体がなんらかのバイアスなんですが、まあこれもまた、本書自体が自分で書いてることなんだからいいとしましょう。

何を行っても作者の術中にハマってしまうきがして、ひねくれものほど批判も肯定もしづらい本、というだけでも一読の価値はあるんじゃないでしょうか。