がくしだったりマイクロだったりすぎもとだったりするひとのメモとか。

「大魔王ゾーマからの脱出」(SCRAP)

8/11に楽しみにしていたリアル脱出ゲームのドラゴンクエストコラボ、「大魔王ゾーマからの脱出」に行ってきましたよ。

realdgame.jp

ネタバレ禁止公演ではありますが、批評を行う上ではネタバレは必要なので「続きを読む」以下に沈めます。 結論を書いておきますが、

  • トータルで体験としては楽しんできた
  • ラスト謎はとてもよかった、そのあともすばらしい
  • ストーリーはダメ
  • ぼっち死亡

くらいです。

前回の「竜王迷宮からの脱出」は「多くの人々が体験したことがあるであろうドラクエ1を中心に、あるあるネタを重ねて作られた謎解きゲーム」という印象でした。「ドラクエとはお使いのゲームである」というのを体現したかのようなひたすらウロウロさせられる脱出ゲームでして、たしかにドラクエに材を取った様々なオブジェクトは楽しいけれど、それ以上の混雑と歩き回されたことがマイナスの体験を産んでしまってました(少なくとも僕は)ラストの謎解きこそ面白かったものの、マイナスも目立つなという感想でした。

今回はラスボスはタイトルの通り、ゾーマです。となるとドラクエ3がメインなのかなと思いきや、ストーリーとしてはなんとドラクエ10が下敷きになっていました。何も調べずに来たんですが、入場してまず目についた「ジュレットの町」で察しました。ドラクエ10というのはオンラインのドラクエということもあって、イベントなどでも過去作をわりとカジュアルに引用してくるので、あるあるネタ」や「過去作のヒーローたち」を登場させるための土壌としては、ちょうどよかったのかもしれません。ドラクエ9くらいから追加要素で過去作からのキャラクターの出張はそもそも多いし、スピンオフのドラクエ(モンスターズやヒーローズ、スマートフォン向けのタイトルたちなど)では過去作のキャラクターありきになってしまってますから、特定のシリーズをモチーフにするより、なんでもありのドラクエ10を使ってストーリーを作るのがやりやすかったのかな? などと思います。

ただ今回は前回よりストーリーがひどい気がします。まあ前回もストーリーはあってないようでしたけれど、骨太のストーリーではない、というのはむしろドラクエ1のよさでもあって、そこまで気にならなかったんですが、今回は一応のストーリーラインを参加者に体験させようとしています。それなのにあれっていうのは……。ドラクエ10、ちゃんと書けるシナリオライターいるんだからストーリーはもう少し頑張ってほしかった。謎解きだからってあのストーリーはあんまりです。参加者に色んな体験をしてもらおうというのはコンセプトですし、謎解きそのものが簡単なのはターゲットをどう見るか次第だと思うのでまあいいしても、ストーリーがあれではね……。

ちなみにいま「謎解きは簡単」と書きましたが、これは前回同様で、ラスト謎以外に少し足を止めるとしたらラス前の謎くらいで、それも比較的すぐに気づいてしまうレベルだったので、実質ほとんど考えるところはありませんでして、それでも前回と同じトータル4時間コースでしたから、これはもう時間に関しては謎解き云々ではなく「長くドラクエの世界を体験させる」ことを意図しているんでしょう。ただ、それも「微妙に並ばされる列」の積み重ねでだいぶ時間が過ぎてしまうので、ドラクエの世界体験として4時間ずっと堪能した」とはいいがたいんだよなあ。すごく長く待たされることはありませんが、ちょっとずつ時間を消費させられる感じです。前回より会場に入っている人間は少なくなったかなとおもいつつも、トータルでの人が結局多いことに起因するんでしょうね。

あ、そうそうこんかいの「体験としてのドラクエ」についても少し。ドラクエ10が出たときに、ドラクエは一人でやるもんだ、みたいな非コミュの連帯感みたいな流れを少し感じまして、僕なんかもそこには共感を覚えつつもドラクエ10を楽しめてしまっている人間なんですが、今回の謎解きでは妙に人前に出たり、ダジャレを言わされたりと、ロールプレイを強制させられるところが多々ありまして、それはドラクエ10に拒否反応を示した層の一部ににはつらい気持ちを呼び起こすんじゃないかとか要らぬことを考えてみたりしました。

写真はけっこう取ったんですが、スマートフォンに転送できてないんで一枚だけ。

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あ、そうそう、左のほうに「プレミアムチケット」入場口があります。友人にチケットを取ってもらったのでプレミアムチケットで入場しました。ここでは、さいごのかぎと名札、それからドラクエでよくいわれている行為のリアル体験、みたいな特典が付きます。さいごのかぎ、はショップで売られているグッズを宝箱に入れたもの。グッズはすでにあるものなので出来自体はいいんですが、入ってる宝箱が紙製でちゃちい。なんだこの中途半端な特典……。名札は自分で5文字まで文字を記入できます。これをつけているとスタッフに名前で呼んでもらえるらしいのですが、少なくともそんなシーンはなかった……w ひらがなでかけというルールを見落としていて、カタカナで書いた後に、あわててふりがなをふってみたけどこんなことならカタカナのままでよかったらしい。そのあと宿屋みたいなところに案内されます。ベッドに横になると宿屋のSEがながれる。壷を割るとカシャーンというSEが流れる。たんすをあけると小さなメダルが手に入る(ただのシール)。なんだこの子供だましは……。まあ、プレミアムチケットなるものはこんなものなんでしょう。正直どうでもよかったんですが友人が欲しかったみたいなのでこれはこれでいいとしましょう。

さて気を取り直して、クライマックスのラスト謎について語りたいと思います。

このラスト謎は前作と同じように大きなホールでのラスボス戦で、演出としてはとってもいいですね。今回のラスト謎は謎自体は爽快感があって素晴らしいものだったと思います。出てきた言葉も当てずっぽうでは当たらないし、えっそれが?と思わせておいて、その後の展開にもちゃんとつながってますし、みんなでプレイしているドラクエ体験、というのを集約できている面でかなり秀逸と言えます。すばらしい!

ところで、この短い時間に追われて謎解きをする体験というのはいろいろマイナス要素もあり、個人的には好きではなく、今回もそこが少し気になりました。たとえば、足場も悪い中でシールを貼らされるのですが、これは「きようさ」パラメータの低下しつつあるおっさんにはなかなかに難しい。台紙からシールを剥がすときに破損してしまい、それが仲間にはとくべき謎のギミックと誤解されるような一幕があったりして、あぶないところでした。制限時間を設けることで確かに臨場感は半端なく出てきますし、痛し痒しかとは思うのですが……。それはそうと、あの移動させられるギミックも必要なのかなあ、などとも思いました。場所を移動させることで集中させないなどの効果は分かりますが、不器用さや容量の悪さが謎解きを阻害するというのは、ひとによっては楽しい体験にはならないのではと思ってしまいます。

この最後の戦いの最大のマイナスは、これは前回も批判しましたが、失敗時に1000円で「ふっかつのじゅもん」で復活してヒントを見られるところです。有料化金制度はドラクエの世界とは全く関係がないといういみでドラクエの謎解きとしてもマイナスですし、謎解きの爽快感を人質に取っている点はドラクエ「謎解き」として、最高にダメだと思うのです。ここまできて「失敗したことにして最後を見ないで帰宅する」ということができる冒険者はどれくらいいるんでしょうか。相当ストレスのかかることでしょうから、これは多くの参加者がコンテニューしたことでしょう。ドラクエ体験としてパーティを組ませてるのもこのシステムと合ってないです。私一人お金出したくないので帰ります、とか言える人いるんだろうか。どうしようもない同調圧力が発生しますよこれは。

ヒントはかなり答えに迫ったものだったと聞いてるので、たぶん「多くの人に謎を解いて帰ってもらいたかった」というのが本心であるとおもってます。その気持ちはよくわかるんだけど、それをクリア時の課金制にする必要があったのかなあ。ヒントブックを最初から1000円で売るとか、同じ目的を達成できてかつ体験性を失わせない方法はできなかったんだろうか……まあ、そんなことは、スタッフの中ではさんざん議論した結果だとは思う(思いたい)もののやはり完全に納得はできませんね。

ぱふぱふ屋」という本筋と関係ない体験型施設がありました。これはグッズなどを一定額以上買うと中に入れるようになっているものです。謎解きという本筋以外のプラスアルファを楽しみたい人は余計にお金を出してね、ということでここに課金要素があるのは全く気になりません。ドラクエ10で言うドレスアップ課金みたいなものでしょう。ぱふぱふというドラクエが生んだおもしろ体験を実体験させる施設、いいじゃないかとおもいます。はい、コンセプトは。……この施設が会場の中にあって、ラスボスに挑んでしまうともう参加できないことになってます。僕のチームは帰りの時間が迫っていて、いざいってみようかとおもったときに1時間待ちといわれてしまい、結局体験してないんですよね。会場内のおまけ施設が1時間待ち、かつ外に出たらもう入れない、というのはちょっとさすがになにかの想定が間違ってるとしか思えませんが……。

とまあ、前回同様、こまかいところにいろいろもやもやも残しつつも、4時間ドラクエの謎解きを楽しんだ、というのは事実で、また得難い経験です。また次があればわくわくして参加しちゃうんだろうと思います。

どこからか流れついてこの回りくどい文章を最後まで読んでくださってありがとうございました。お互い、よい旅を。