黒かわず句会でした。投句6人、現地参加が4人というやや少なめの人数でやっておりました。
今回はぼくの誕生日が近いぞって言う予断を与えておいたところ、いくつかあいさつ句をいただきました。
ひとつめ
寒鴉またはシュプレヒコールの波 四十九士
これはお題「選択の接続詞を使う」。で「または」句なのです、がどうみても四十九士作です。「シュプレヒコールの波」とはいわずもがな、中島みゆきの「世情」のワンセンテンス。ただ句としてもなかなか良くて、シュプレヒコールという政治的な硬さと「または」という接続詞の硬さもあっているし、寒鴉との対比もよいと思いました。
ふたつめ
むささびをまずロッカーに入れなさい ぺぺ女
これ、ぼくの特選でした。
むささびの感じわかる。なんか飛び回って邪魔になりそうな感じがあって、何か大事なことの前に「ロッカーに入れなさい」という感触がある。ほかの動物ではこの感触は出ないです。
で、これ気づいてなかったんですが、あいさつ句だったんですよ。僕の
傘立てに鮭を差すのはやめなさい 幽樂坊
という句がありまして、これへのオマージュだったそうです。気づかんかった!
あとは適当に自句を紹介しておきます。
道尽きてちくわそれとも初日の出
首狩り族ゐるかもしれぬ初句会
みな五円ずつ盗まれて初詣
アルパカがアルパカを呼ぶ新年会
書初のあと峠道攻めてをり
新年の季語が使いたくて、お題として「初」をつかえ、というのがあったにもかかわらず、ほかの句にも「初」ばかり使ってしまった。「書初のあと峠道攻めてをり」は、点は入ったものの、お題のこなしとしてはNGをいただきました(ぼくもそう思った。ハードボイルド句というので作ったたけどどう考えてもハードボイルドではない)それから、「峠を攻める」が通じないクラスタというのがいるのかという発見がありました(世代はそう変わらないはずなのに)
あとお題、暖房というので例句を調べていて「暖房車」ということばがあって、なんか素敵だなあと思ったので使ってみたくて作った句。
凶報やほどよく暑い暖房車
これは凶報が動くと指摘され、確かにそうだと思っていたらぺぺ女句から、「密葬」はどうだといわれ、確かにそっちのほうが像を結ぶかもしれないなと思った次第。なので「密葬」をいただいて、
密葬やほどよく暑い暖房車
にしておきます。 うん、わからん!w
ではまた。