だいぶブログをサボってましたが、第二回のへそ句会でした。
本日も句会初体験の方がお二人ほど。
今回のぼくの狙いは「句またがり」でした。出したのがこれ。
父の日に父を逆さ吊りにします 幽樂坊
幸せな句なのか、ちょっと嫌な句なのかで意見が分かれた謎の光景。
もうひとつは、おなじみ挨拶句とゆるふわ切りの合わせ技
路線図のいきものめいて夏兆す 幽樂坊
ライターの井上マサキさんが路線図好きだというのは常々知っておりましたから、ぼくにとっての路線図をぶっ込んでみました。いずれも高得点を頂きまして、かつまたもやぺぺ女さんから代わりにいろいろ説明してくださってたいへんありがとうございました。
惜しかったという票が集まったのは、店主へそくんのこちら
いらんというたに持たされ柏餅 へそ店主
これ、現行バージョンを先に見ちゃうとこれで良いじゃんと思うかも知れませんが、「れ」で切れちゃうんですね。切れてるのに前後が繋がってしまってるので、ここはすなおに
いらんというたに持たされし柏餅
という案が出されていました。ちゃうのに柏餅になってしまうので、もったいないと。ただ、切りたくなっちゃうのも分かるんだよなあこの句の場合。その場合は柏餅を捨てなきゃいけないんですが、柏餅を持たされているという持ったり感は捨てたくない。このジレンマありますね。改作だと柏餅に注目が集まりすぎてる感じも合って、いたしかゆし。
ぼくなら次みたいに語順を替えて結果的に点も入らず散る気がします。
いらんというたに柏餅もたされる
うんダメな改作だ。まあ、こういうミリ間隔を競うのが俳句の面白さなのです。
さて、今回話題になったポイントは「季語を説明しないこと」です。ちょっと俳句の会ぽい! その他のハイライトを順不同で。
- 蛍売りには由来がありそう。もっとどうでもいい職のほうがいいかも
- モロッコを知らなすぎる人たち
- コンビニのおでんが……のコンビニは議論を産んだが、スク水には可能性を感じる
- 薄暑にツッコミをいれるなんてすごくないですか
- 中8の字余りはちぐはぐ感すごい
- ゆる&がつんの二段階切り
- 人魚にひどい目に遭って欲しい
- 筍流しって言葉を知りませんでしたすいません
- 逆等逆説、HEY YO!
- こっちは気づかなかった! 綺麗な句だと思ってた!
今回も楽しく開催させてもらいました。
おまけ
ロボットのネジはじけとぶ薄暑かな 幽樂坊
という句を出しましたが、これは季語がしっくりきていないと言われまして納得できます。これはこうかな
万緑のロボットのネジはじけ飛ぶ
もうひとつ
皇軍の最終兵器なつみかん 幽樂坊
兵器と夏みかんが近いと言われましたが、それはさすがにどうなんだ。気持ちは分かるぞ(分かるからこの句になったんだ)しかし、近いだろうか。柑橘系の果実=爆発物というのは梶井基次郎の檸檬の印象かな。