がくしだったりマイクロだったりすぎもとだったりするひとのメモとか。

夜会工場Vol.2

1/23と1/30に、夜会工場Vol.2に行ってきました。

場所は渋谷Bunkamuraオーチャードホール。写真これくらいしか撮ってなかった。ポスターくらい撮影しておくべきでしたね……。

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Bunkamuraというのは夜会ファンにとっては懐かしさのある場所です。ぼくがはじめてここにあるシアターコクーンを訪れたのは大学生のとき、『夜会 Vol.8 問う女』の回です。それ以来、しばらくは夜会といえばここでした。今回の夜会工場のMCでもありましたが、夜会の始まりはシアターコクーンこけら落とし公演だったのです。夜会の初回は、1989年当時はまだぼくは中学生ですから、ファンになったかなってないかくらいの時期のはず。むしろVol.8からほとんどの公演を見られてきたことが幸運だったのかもしれません。

なお、今回の公演があったオーチャードホールは同じ建物ですが、コクーンよりもたくさん人の入る、コンサートホールです(シアターコクーンはコンサートホールではなく演劇がメインの小さな舞台ですね)

さて、夜会工場です。『夜会工場 Vol.1』はファンクラブ先行も一般発売も外れてしまい、転売の高いチケットを買うのも嫌だったので観劇できてないんです。なので、「夜会工場」には今回はじめて触れることになります、ファンでさえ否定的な見方も少なくない夜会という表現の場を毎回とても楽しみにしている身としては、そりゃもう楽しみです。

途中で普通にMCが入るので「夜会で歌われた曲を使ったコンサート」というのがまずはわかりやすい見方でしょうね。ただ、ふつうのコンサートと違って、夜会の曲というのは「歌を使った舞台」で歌われたもの、それぞれが歌われたシーンやら前後の曲やら、文脈というものがあります。なので、ただ曲を歌うだけでなく、その文脈もいっしょにもって来ているのが普通のコンサートと違うところでしょう。舞台で使われたセリフを再現したところもあれば、舞台とは少し違った形で再現された場面もあります。

今回は、出演者が多いんですよ。主役の中島みゆきのほかに、中村中、石田匠という橋の下のアルカディアでの共演者二人だけでなく、コーラスの 宮下文一、杉本和代、それからアンダースタディ香坂千晶、植野葉子という、夜会の集大成みたいなメンバーが、演者としても参加しているんです。中島みゆきのコンサートなのに本人歌唱がない歌がめっちゃたくさんあります。なんだったらバイオリンが歌ってるところもあるぞ。『夜会 Vol.6 シャングリラ』の「子守歌」ですが、これは歌ってるとしか言いようがない。

これ、すごいことですよ。ぼくはもう演出者としての中島みゆきという人を信頼しているので、本人の歌唱がないということはむしろ腑に落ちる部分もあったりしますが、歌を聞きたくて来たかたにはすこしがっかりしたかもしれませんね。いやー、この「ファンの望むことじゃなくて、やりたいように作る」ってのが夜会の醍醐味ですから、ここからしてすでに「夜会工場」なわけです。

シーンのアレンジも大胆でしたね。「南三条」舞台では女性だった役を石田匠にやらせています。セリフ付き。「羊の言葉」もたしか舞台ではラジオから流れていただけだったような気がしますが、ニュースキャスターのやりとりが描かれています。「フォーチュン・クッキー」は、舞台では「パーティ・ライツ」前後のシーンを先取りしたような演出でしたね。「陽紡ぎ歌」は舞台のシーンでは出てこない氷の妖精に歌わせてます。「百九番目の除夜の鐘」は暦売りが二人、「海に絵を描く」では厨子王が二人でてきて混乱します。まあ『夜会Vol.16 ~夜物語 元祖・今晩屋』は抽象劇に近く、本編自体が「同じ歌の中でみゆきさんが、ふたりの立場で歌い分ける」などという荒業をやろうとして、観客が全くついてこれなかったと思われる演目なのでまだこれは許容範囲のです。ただMCで双子がテーマなんですといった後に、梨花二人が出てくるのは当然として続く「ばりほれとんぜ」で、画家である圭役をコーラス二人にやらせてしまっていて、初めて見た人には圭も双子役なのかと思ってしまいそうで、これはどうなんだと思いましたよ。

最初は、お話の違う夜会をつないで別の景色が見えたりするのかなと思ったんですが、意外にもダイジェストの感じが強いです。各夜会ごとに区切りがある感じで、ワンシーンごとを見せている。ひとつの夜会の中で複数のシーンをつまんでいるところもありますが、同じお話なのでそこはさほどおかしくはないです。唯一、違うお話が接続した感じがしたのは、最後の数曲で、これまで順番に過去の公演からつまんでいたんですが、直近の公演である『夜会 Vol.18 橋の下のアルカディア』の「毎時200ミリ」まで終わったところで、メドレーのように「思い出させてあげる」に戻ります。この「<思い出させてあげる>自体が工場が生み出すものを観客に思い起こすことを迫ってくるような曲にも聞こえてくるのでした。

最後のMCで急に「慕情」をワンコーラスだけ歌うというファンサービスをやってくれましたが、これはせっかくの夜会工場のテーマと齟齬があるような気もしつつ(かろうじて「忘れてはいけない」で切っちゃったところは意味があるとも言えなくはない)、最後はテーマ曲「産声」で締めます。このときの衣装は工員のつなぎです。この、決して歌を歌うような衣装じゃないところもいいところ(『夜会 Vol.10 海嘯』の最後でパンツスーツで歌っているシーンがあるんですが、あの時も、ストーリー上はその恰好が正解だけど、コンサートだったらきっときれいな衣装で歌うんだろうな、そうじゃないのが夜会なんだよな、なんてことを強く思った記憶がよみがえってきました。個人的な思い出ですいません)

まあ、そんなふうに細かいところには疑問もなくはないのですが、トータルではとっても楽しませていただきました。

ところで――夜会で歌われた曲ってのは、まだまだあるんでしょうけど、シーン別での見せ方という視点もありますし、さすがにネタが切れていくでしょう。あったとして数年後に Vol.3 やっていったんおわりじゃないかしら、とも思うのですね。

というわけで。

次のセットリストをここで予測しておきましょう!

Vol. 1 むずかしい。映像が残ってないので演出もよくわからないし、初めの曲と終わりの曲を歌ってしまったので、何をつまんでもいいような気がする。ここはメジャーな曲を持ってきそうな気がする。「悪女」か「あした」かな。

Vol.2 ここは比較的見せ場あるな。「ショウタイム」とかどうだろうか。「元気ですか」もありうる。「ふたりは」はちょっと長くて使いにくい気しますね。

Vol.3『KAN-TAN 邯鄲』 演出がわかりやすい「傾斜」「雪」「殺してしまおう」のどれかかな。床に突っ伏して歌ってる「わかれうた」「ひとり上手」もありそう。こっちは舞台替えが簡単そうです。ああ、でもVol.1で「さよならの鐘」をやってるのでないかな。

Vol.4 『金環食』うーん、これは見せるところ全部見せちゃった感じがありますね。「新曾根崎心中」とかどうだろうか。

Vol.5『花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせし間に』Vol.1は冬をやったんですね。これは「時間泥棒」のシーンから「愛よりも」でどうか。大好きなシーンです。

Vol.6『シャングリラ』これもシーンが難しいな。クライマックスの「誕生」はやらないと思うんだよな「友情」のほうはありえそう。

Vol.7,9,17『2/2』今回2/2は再演分も含めて全部いっしょくたに2/2として紹介していたので次もそうでしょう。今回は再再演がメインになってましたが、次こそ「いつか夢の中へ」が来そうな気がします(希望的観測)。個人的には「姉妹になりなさい」も好きです。植野葉子さんがいいんですよね。「紅い河」もありそうだけど、空港のシーンの再現で「ハリネズミ」とかもありそう(なんでこの曲やねん枠)。

Vol.8 『問う女』これも今回、だいぶ使ってしまった感じがあるなあ。「誰だってナイフになれる」あたりの未収録曲が来たりしないかな。演出を見せるという意味では中村中が印象に残っていると言っていた「公然の秘密」もあると思いますね。「RAIN/PAIN」はどうだろうか、ショート版で歌うにはちょっと重い印象。

Vol.10 『海嘯』うーん、これはまだ取り出せるところがたくさんありそう。「フロンティア」をエンディングあたりに持ってくることはあり得ると思いますね。「難破船」もあるかも。意外な選曲なら「カレンダー」はどうだ。

Vol.11,12『ウインター・ガーデン』クライマックスをやるとしたら「記憶」もあると思いますね。やらないなら「六花」がくるとおもいます。再演の「氷を踏んで」は……さすがにないかな。「凍原楼閣」もありえると思う。

Vol.13,14『24時着0時発』『24時着00時発』もう大曲は「サーモン・ダンス」くらいしかないけど、あれはここでは歌わないような気もしてます。看板を読んでいたら最後にファンタジーになる「廃線のお知らせ」は夜会らしいし、「遺失物預り所」の財布をめぐる追いかけっこの再現もみゆきさん好きそう。大穴は「ティムを探して」

Vol.15,16『元祖・今晩屋』『本家・今晩屋』ここでもラストの「天鏡」があるけど、ない気がするんだよなー。演出を見せるならここは「ほうやれほ」でしょう! 今晩屋はラストまでシーンの変化に乏しいので、最後のどこかを使わないと見せ場が難しいのではと思った。

Vo.18,19『橋の下のアルカディア』今回は「どうしてそんな曲」枠を盛大につかったので、次はちゃんとしたところをつまみそうな気も。「問題集」「一夜草」「IndiaGoose」が候補ですが、一息つける意味で「一夜草」を推す。

そして、次にやるときは、Vol.20とその再演が終わってるだろうから、その曲がはいるよね。たぶん「どうしてそんな曲」になるとおもいます!

ラスト前の締めの曲は上述のなかだと「記憶」と「フロンティア」を本命にしたい。

まとめると、予想セットリストはこれだ!

  • 二隻の舟(インスト)
  • 悪女(中島)
  • ショウタイム(中村)
  • 傾斜(男性コーラス)
  • 新曾根崎心中(コーラス)
  • 愛よりも(中島)
  • 友情(男性コーラス)
  • いつか夢の中へ(女性コーラス+男性コーラス)
  • 紅い河(中島)
  • 誰だってナイフになれる(コーラス)
  • 公然の秘密(中島)
  • 難破船(コーラス)
  • 凍原楼閣(杉本)
  • 六花(中島+女性コーラス)
  • 廃線のお知らせ(中島)
  • 遺失物預り所(男性コーラス+女性コーラス)
  • ほうやれほ(中島)
  • 問題集(中村)
  • 一夜草(男性コーラス)
  • フロンティア(中島+コーラス)
  • 記憶(中島+女性コーラス)
  • 産声(中島)

と、ファンの妄想はとどまるところを知りませんが、こんなところで。