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がくしだったりマイクロだったりすぎもとだったりするひとのメモとか。

ドラクエらしさ千年戦争

デジタルゲーム ドラクエ 雑記

オンラインゲームであるドラゴンクエスト10でとあるコンテンツが実装されました。

その名を「アスフェルド学園」といいます。

どんなコンテンツかを説明するまえにスクリーンショットを見てもらうのが手っ取り早いですね。

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上手く撮れてないですが、他の画像が見たい方は検索してくださいね。

さあ、ドラクエ10の現役プレイヤーでない皆さん、これをどう思いましたか? 「こんなのドラクエじゃない」っていう人がけっこういるんじゃないかと思うんですが如何でしょうか。じっさいのところ、このコンテンツは実装前、計画段階でチラ見せされてから、ドラクエ10プレイヤー内外でかなりおおくの議論を巻き起こしました。多くが「ドラクエらしさ」みたいなものに言及していました。ドラクエ10はオンラインゲームであり、時間とともに新しいコンテンツが実装されています。新しいコンテンツが出来ると、この「ドラクエらしさ」なるものを拠り所として批判を加える層がかならずでてくるのです(これは公式の提案掲示板で観測できます)が、今回のこの「アスフェルド学園」はかなりその抵抗が大きかったコンテンツです。

このコンテンツをつうじて「ドラクエらしさ」について考えさせられました。あわてて先に弁明しておきますが、この記事は「ドラクエらしくないからダメだとかいいとか」ということを主張したいわけではありませんドラクエらしさ、という言葉がまきおこす感情についてちょっとメモしておきたいなと言うのがこの記事の目的です(なお「アスフェルド学園」そのものについては末尾にちょっと書いておきました)

まず、前提として、「どんなのがドラクエか」なんてのには万人が納得する答えなどありません。ここを間違えると不毛な言い争いでしかなくなります。これは大前提として、まずはぼく自身の、この言葉への立ち位置を、思い出語りを通じて測定してみたいと思います。

たとえば、過去を振り返れば、ぼくにはナンバリングタイトルで唐突に現れた「ディバインスペル」「マジックバリア」には失望した口でしてね。そこに「ホイミ「メラ」ラリホー」のエッセンスなどゼロです。なんで堀井雄二はこれにゴーサインを出したんだろう。ちゃんと見てなかったんだろうか。なーんて思っていました。まあ、こんなのドラクエじゃない、と言ったかどうかは記憶にはありません。

いっぽうでドラクエ8ではじめて3次元モデルを使った作品であることが明かになったとき、前評価はけっこう割れていたのを記憶しています。3次元であることじたいがもうドラクエだと受け入れられなかった人が確かに一定数存在していたんじゃないかと思います。ぼくに関して言えば、アニメとしてのデフォルメがちゃんとなされていたので、8に関しては「こういう進化はたしかにドラクエだなあ」なんてことを思ったりしたんです。これだけみても人が好き勝手言うドラクエらしさなんて、ファンの間でも割れるもんだよなーということが分かると思います。

そもそも、ドラクエ10がオンラインゲームだと発表されたときの、評価の割れ方もすごかったわけです。代表的なのが「ドラクエはひとりでやるものだ!」という意見です。

これに関してはぼく自身は明確な反論を持っていて、十分ドラクエらしいじゃないかと言いたい。というのも、ぼくが小学生だった頃、ドラクエは「ひとりでやるもの」ではなかったんですよね。プレイそれ自体は、ほぼひとりでやっていたのですが、学校に行っては自分の進行を友人と熱心に語り合いました。あれはまぎれもなく「なかまといっしょにドラクエ」をしていた体験に他なりません。記憶にはっきりとのこっているのはドラクエ2です。すいもんのカギには(なぜか)あまり苦労しなかったのですが、きんのカギがなかなか見つからなくて、なかなか教えてくれない友人を怨んだものでした。オンラインゲーム化のコンセプトの一つはその延長にあるんじゃないか、と解釈しています。ドラクエの世界を共有できる場所を作る、というのが堀井雄二の考えた「ドラクエ10」のドラクエらしさだと思っており、それはぼくにとっては違和感がなかったわけですね。ただ、そういった体験をしてきてなかったひと、そういった体験はしてきたがその延長にオンラインゲームはないと考えるひとがあれに「ドラクエみ」を感じないというのは理解は出来るところです。

そして。ドラクエ11です。先日イベントでドラクエ11の映像がかなり踏み込んで紹介されており、YouTubeにもその様子がアップされていました(公式映像ではないような気がするのでリンクはしませんさがしてください)。ドラクエ11はプラットホーム横断で、精細な3D、デフォルメされた3D、そしてドット絵2Dというコンテンツのビューを作り分けるというすごいチャレンジをしていますが、このYouTubeのコメント欄を見ると、ドラクエ10プレイヤーたちがざわついたのとにたようなざわつきの一端が伺えます。「きれいすぎてドラクエらしくない」。

ドラクエ8のときと同じような感想が結局また語られています。実際のドラクエ11はドット絵も用意しているのでこのコメントは理解不足での発言ではありますが、コメント欄を見ていくとおもしろいことに「ドット絵なんて誰も買わないと思ってた」という若いプレイヤーの感想も書かれています。これもまたドラクエらしさのエッセンスはどこにあるんだろう、ということを考えさせられます。そして根強い「オンラインじゃないよね?」という反発。ここには別の形で「ドラクエらしさ」のショーケースがあるように思います。鳥山明であればドラクエだろうか? しかし、ドラクエ7以降、鳥山絵はかなり減り、鳥山風の継承も怪しくなってきています。すぎやまこういちの音楽も必須でしょうか、堀井雄二の監修があれば保てるのでしょうか(どこまで監修してるのかな?)

ドラクエというのはものすごく強力なブランドです。作り手が「ドラクエらしさ」を考えずに作ってるはずもありません。しかしながら受け手には大きな幅を持って受け取られます。ドラクエらしさ」をコンテンツを叩くための武器ではなく、自分たちの愛を語るための道具として使ってみては如何でしょう。願わくば「こんなのドラクらしくな……いやまてよ、自分はドラクエのどこに魅力を感じていたんだろうか?」というような、ドラクエ語りがネット上にたくさん増えますように。

おまけ

ドラクエ10の「アスフェルド学園」を枕に使ったこともあり、このコンテンツへの評価も書いておきます。本論とは関係ないし、DQXプレイヤーにしか分からないので続きを読むにしずめておきますね。

まず、ぼくはやはりこれはドラクエらしさとは切り離した上で、あまり遊びたいコンテンツだと思いませんでした。

システムはとりたてて悪くは無いと思います。ランダム要素をもちだすことにより、長く遊べるようにする。これまでアクセ合成やベルトにこの仕組みを採用してきましたが、今回はスキルセットそのものをランダム生成するようになり、いいスキルセットを求めて作業を繰り返すゲームになりました。飽きさせないようにクラスメイトとの横の緩いつながりとか色々やってはいるのですが、根底にはやはりランダム生成を終息させるために作業を行うことがあるように思います。扉を開けてバトルを行って報酬を得ていく部分も、強敵が出てくるわけでもなく、既存のモンスターが少し光ってるのを倒すだけでゲーム性はそこにはありません。またかという思いもなくはありませんが、まあ、すごくつまらないということはありません。システムだけ見れば楽しめる余地は大いにあるかなと思っています。

ただ、とにかくストーリーを追うのがつらいんですよね。お話しが面白ければ良いけれど、進行の都合でその順番になってるだろうと思われる封印された場所を作業的に解放していきます。ちなみに、その理由は「不思議!」で片付けられています。キャラクターもわざとらしい。

そして、違和感がありすぎる立ち絵です。ドラクエ10がそもそもこれまでそういったアドベンチャーゲームのような見せ方をしてきたのであればまだマシかも知れませんが、なぜかこのコンテンツだけの効果です。バトルを一切しない純粋な謎解きコンテンツである「妖魔のまなざし事件」ですらこんな見せ方はしていません。いや、これもね、別に良いんですよ。その立ち絵で表示されるキャラクターには既存の鳥山絵とあからさまな乖離があるのがいただけない。これはすでにスキルマスターという例外があって、インパクトは薄れていますが、薄れているからと行って距離が縮まったわけでもありません。これが地味にストレスが高いのです。

この手の話になると「やりたくない!「やらなきゃいいだろう」という不毛な言い争いが発生します。しかし、「やらなきゃいいだろう」というのはそのとおりですが、やらないと手に入らない者がある以上、その入手と辛い作業とは天秤にかけなければなりません。運営さんは「ゲーム本編の強さに影響するようなアクセサリーなどは出しません」ということを書いておりました。残念ながら、ぼくはライト層なので「ゲーム本編の強さ」にはむしろ興味が無く、強さと関係の無い「衣装」だとか「しぐさ」だとかが欲しいのです。そういうアクセサリーなどは出さない、強さに関係ないものなら今後も報酬として出すかも知れない、というのはむしろぼくにとっては辛いメッセージでした。だって「やらなきゃいいだろう」というわけにいかなくなるのです。

そんなわけで、冒頭の写真を撮ることすらストレスフルではありましたが、たまに気が向いたときにだけやってます。つらい。しぐさほしい。