がくしだったりマイクロだったりすぎもとだったりするひとのメモとか。

ボードゲーム界の公開質問状の件

ボードゲーム界なんだかざわついております。箇条書きでまとめると

  • ライターのヨッピー氏が「ボードゲームを広めるために身体を張った」というような記事を書いた
  • ボードゲームの販売などを手がけているいわゆるボドゲ界の重鎮の方がその記事を見ていろいろな問題があると判断、ヨッピーさんおよび掲載元となるトゥギャッチに公開質問状をつきつけた
  • それを見たいろんな人がざわざわしてる
  • 記事の掲載元であるトゥギャッチの編集の方から質問状への返答がきた
  • それを見たいろんな人がざわざわしてる

ってとこでしょうか。

最初に断っておきます。本ポストは、公開質問状に批判的な記事ですが、それを出された方々がこれまでされてきた活動には大きな価値があると思っていますし、また質問状を出されたことの動機となったであろう問題意識についてもその一部については共感します。その上での雑感と思っていただければ。

まずは、発端はこちらの記事。

togech.jp

お、おう、という感じ。まあ、いつものテンションの記事ではないかと思います。「目的を掲げる体裁でやってみたところ、ふざけすぎて目的そっちのけになってえらいことになった」というある意味予定調和な記事かなと。

で、これに対して、ボードゲームサークル「まんまる」代表 はただよしたけさん、名古屋でボードゲーム販売をされている「ゲームストア・バネスト」の代表者、中野将之さんが連名で、次のような公開質問状を出されました。

www.facebook.com

コメント欄にトゥギャッチ編集部からの返答もあります。

この公開質問状についてはいろんな問題があると思うのですが、まずやはり「これはさすがに冗談が通じないにもほどがあるんじゃないか」という感想をもってしまったんですよね。この硬直的な質問状を見てむしろ「ボードゲームなんだかめんどくさいな」って思っちゃう人もいるんじゃないかとさえ……なんというか、それってむしろ後退してませんか? この質問状については同じような感想を持たれた方もTwitterなどの反応を見る限り一定数はいそうです。

以下にTwitterでの反応のがありました。Twitterだけという狭い観測範囲ではありますが、こちらも合わせて読むと良いかと思います。

togetter.com

ただ、いろんな反応をみて、1点、賭博に関する部分については理解しました。ボードゲームを愛好し、それを広めようと活動されている方は賭博行為にすごく敏感で、そう取られないように最善の注意を払ってきたわけで、そこがないがしろにされているように感じると。なるほど理解できます。

なので、この抗議文がたとえば、ボードゲーム業界(愛好家・販売者)は、ボードゲームが違法な賭博行為と結びつけられないよう、たいへん気を遣って活動してきましたが、ボードゲームカフェを運営する方が係わっているにもかかわらず、この記事にはそういう配慮が足りないと考えます(現在の記述では不十分と考えます)。たいへん残念です」という「抗議の意見表明文」を連名で出すというような形だったら、ぼくとしては共感できるなと思うのです。

とにかく、それ以外の質問状の部分が無粋すぎる、というかそもそもこういった抗議を、カウンター記事という表現による批判ではなく、「質問状」という「まるで取り下げよと迫ってるような形式」で表現したこと自体が悪手と感じます。質問内容からはむしろ意地の悪ささえ感じます。なにか言質を取ろうとしてるのかも知れませんが、質問状出したって答えは「問題とは認識していません」の範囲に収まるに決まってます(してたらそもそもしてません)。案の上、編集部からの返答は「そりゃそうなるよね」っていうあたりさわりのない内容でした。

本気で答えが分からなくてあれを質問してたらそれはそれでなんだかすごいなと思いますよ。だって、これ元の記事はあからさまな「仲間うちで悪ふざけしてやってる」という体裁じゃないですか。あの指摘はすべて「そんなの誤解する人いる?」というレベルでしょう。いや、誤解する人がゼロではないかも知れませんが、それを記事でケアする必要があるようには思えません。ボードゲームは子供もやるジャンルだからそれくらい当然だ、という建前があっても、記事の悪ふざけまで制限するほどの説得力を感じません。こんなのしてたら全方位に配慮しすぎてあたりさわりのないつまんない記事になるだけじゃないですか。なんというか、青少年不健全書籍狩りの行き着く世界みたいな感じさえします(繰り返しますが賭博の件だけは別です)

ひとつ例を挙げましょう。ぼくは、ボードゲームは好きですがそんなに知識が無いのでネットで、ボードゲーム愛好家の方の記事をよく読んで参考にします。

gioco del mondo ジョーコデルモンドというサイトがあるのですが、このサイトは好き嫌いがはっきりしているのが良くて、よく参考にさせてもらっています。このサイトのレビューの一部を書き抜いてみます。いくつも引用できそうな部分はありましたが、Valdora - ヴァルドラ というゲームのレビューから。

わし「おいおい、カタログ1ページめくるだけでお金請求するなんて、悪徳通販業者でもやらんで。テン○ィズゲー○ズは、こんなぼったくり商売やっとんのか?」

タナカマ「ぼったくってませんて!」

わし「ほな、これからはこのビジネスモデル使ってがっつりぼったくるつもり?」

タナカマ「やらないです。やらないです。もう」

さあ、これをみて、「そうか、テン○ィズゲー○ズっていう店はぼったくり商売しかねないところなのか」って思う人居ます? いないよね(伏せ字になってますが、お店の名前は容易に想定できますよね)。

もういちど公開質問状を見てください「「ゲームにゲーム外の事柄を持ち込まない」というのは、ボードゲームプレイ時のマナーとなっています。ましてや、客商売の相手に威力業務妨害あるいは、それに類する発言を浴びせるというのはプレイマナーとして論外の行為です」とあります。さあ、ジョーコデルモンドさんは論外の行為をしてるのでしょうか。ぼくはこの「ぼったくり」の下りはふつうに笑って読みましたし、楽しそうな会でいいなぁって感じましたよ(なお、どなたもぼくの存じあげない方です)。こんなのトゥギャッチの記事だって同じようにどう見たって親しい人たちの軽口じゃないですか。そのプレイマナーというのは場の雰囲気に合わせて柔軟に変化できないほどの堅苦しいものなのでしょうか。

まあ、「ぼったくりの件は個人サイトだからOKだが、トゥギャッチはメディアに近い存在大だし、ボードゲームを広めるために、というお題目であんなこと言ってるからダメ」という擁護は可能かも知れません。ただ、どうなんでしょうね、ある程度興味を持った人がいろんな記事を検索するときに、普通に出てくるサイトですし、いったん入り口をくぐった人への影響力という意味では大手のゲームレビューサイトのほうがむしろ影響力強かったりしますよ。まあ、いずれにせよ、個人サイトであってもメディアであっても、仲間同士の軽口なんだからいくらでも書いてもよい。実際のゲームの現場ではもちろんその場に合わせたマナーが必要でしょうけど、あくまでも記事として公開する上では記述においてはマナーがどうだとか言われる筋合いはない、とぼくは思いますがね。

なお、ヨッピー氏の記事それ自体は、かなりパンチが弱いと感じるのでボードゲームをダシにしておきながら、滑るんじゃないよ」というツッコミなら大いにアリだとおもいました。現場からは以上です。

追記:ヨッピー氏がブコメで謝罪してました。

WEBライターヨッピー氏のボドゲ・人狼記事に対する公開質問状 - Togetterまとめ

件の記事については色々配慮が足りてなかったなぁと反省しきりですが、この公開質問状についてtwitterその他で言及すると余り良い結果にならない事は想像出来るのでこの場を借りて謝罪とさせて頂ければと思いまする

2016/09/01 23:46
b.hatena.ne.jp