がくしだったりマイクロだったりすぎもとだったりするひとのメモとか。

やりこみIngressプレイヤー(の一部)がポケモンGOに冷淡だったわけ

ポケモンGOの勢いがスゴイのはご存じの通りで、むしろ言及すること自体がなんか気恥ずかしい感じになってます。が、言及します。

ぼくもそこそこ時間を費やしてきたIngressプレイヤーだったので(といってもゆるゆるですけど)βテスターに申し込みまして、ちょっとだけですが参加してたんですよね。テスターに参加してた限りは「これホントに面白いのか???」という感想だったので、ここまでのヒットはすごいなぁと単純に感心しましたし、自分の先見の明のなさに反省しきりです。ただ、考えてみるとその評価ってむしろ「やりこみIngressプレイヤーだったから」だろうな、ということにも思い当たったのでこの記事を書いています。

いまだにIngressをやっている勢というのは、かなりふるい落とされていて、すでに「Ingressに楽しみを見つけられた人たち」なんですよね。Ingressというのはきわめて不親切なゲームで、やることも比較的単調です。面白さを自発的に発見できないひとたちはLv8くらいで目標を失ってフェードアウトしていきます。したがって、テスターの時点でIngressをやっていた人間はほとんどがあるていどIngressをやりこんでいたひとたちなんです。

ポケモンGOの記事を見てると、訳知り顔で「Ingressに皮をかぶせただけ」なんていう冷笑的なコメントをたまに見ますが、面白さのキモはだいぶ違っておりまして、けっして皮をかぶせただけとは言えないと思ってます。たしかにポケストップやジムの位置情報のデータはIngressのポータルをそのまま間引いて作ったのはそのとおりです。ぼくの生やしたポータルがぼくの書いた説明文のままポケストップになっていて笑えます。そして、IngressもポケモンGOも最初の入り口でゲームに引き込むところの感動はかなり似てると思うんですよね。ようするにVRの面白さと言いますか、自分の生きてる世界をスマートフォンを通してみると違った景色に見えるという感動ですよね。いまの熱狂の一端はそのへんにあるんじゃ無いかと思います。

ただ、その先がだいぶ違うんですよね。

Ingressはを制圧する陣取りゲームです。このポータル同士をつないで三角形にすることで自軍の陣地を広げていくのが目的のひとつです(ひとつであってすべてではありませんし、そういう遊びに興味の無い方もいますが)。なので、Ingressには「ある特定のポータルに行く」ことそのものに強い動機があります。ところが、ポケモンGOにはポケストップの固有性はそこまで高くないですよね。山を越えて向こうのポケストップに「わざわざ」行く、ことはさほど大きな意味はありません。珍しいポケモンが湧く場所に行く、という意味づけのほうが移動の同期としては強そうです。Ingressはリンクの起点としてのポータルの攻防もまた、「そのポータル」へ行くことの動機付けを強くしています。ポータルがエネルギー発生装置であるというストーリー的な意味づけに加えて、ミッションなどの要素もあります。ポータルを通じてその土地を知るという点ではIngressなかなかのものだったと思います。

攻防の要素の強さもIngressとポケモンGOではずいぶん違います。ポケモンGoにも攻防の要素はありますが、それはあくまでもジムというにすぎません(今後直接の対人戦が出てくるでしょうけど、位置ゲームとしての要素はあまりないでしょうね)。なので、ポケストップよりは「ジムがそこにある」ということの意味は多少強いとは思いますが、画面に見えているジムをすべて自チームの色にしたい、みたいなモチベーションはあんまり高まるようになってないように思います(Ingressは目に見えて自軍の色が広がっていくのが分かるのでそれがモチベーションになるようにデザインされている)ポケモンプレイヤーがどこまで自分の所属色に愛着を持つようになるのかちょっとまだわかりませんが、いまのところはそこにあんまり強い意識が起きるようには意図されてないなーと感じています。Ingressはこの攻防がけっこういやらしく、ぼくが面白かったりするのはそこなのですが、それがいきすぎてトラブルになっちゃったりする話も聞くほどですからね。

このブームで、ポケモンをまったく知らないけどはじめた、という方も多いと思いますが、そもそも本家のポケモンってRPGのストーリーを追えた後はかなりガチの育成&対戦ゲームになりますよね(ぼくの知識はダイヤモンドパールあたりなので、知識が古すぎたら申し訳ないですが、ひたすら卵をかえして理想個体を作る世界になっていた印象)。携帯用ゲーム機の場合、RPGとして楽しんで終わり、というのでも十分楽しめるようになっているわけですが、ポケモンGOはそのストーリーがありません。そこで、Goにおいてははじめから育成ゲームの一端が垣間見えているようにも感じます。なので、位置ゲームの要素と同じくらいかそれ以上に、育成部分がモチベーションになるんじゃ無いかと思ってるんですがどうなんでしょう(もっとも、まだ出てきてないポケモンもたくさんあるのでそれが適切に解放されていけば「単にポケモンを集めるゲーム」としての息もそこそこ長そうな気もしますが)。いずれにせよ、育成のために歩く必要はあるかも知れませんが、歩く意識づけがIngressとだいぶ違うのは確かでしょう。どこまでも位置ゲーであるIngressのβテスターがけっこうな人数、冷淡な評価を下したのってこのへんの違いなんじゃないかなーと思ったりしてます。

あ、もちろん、好意的なプレイヤーさんも居たので両方の資質を持った人も当然居たと思います。まあ、どっちが上とかそういうことじゃなくて。入り口の感動こそ似ていたものの、そもそも違うもの過ぎたってことかなぁと。逆に言えば、ポケモンGO、世界で流行ってるけど合わなかったなあという人の中にはもしかしたらIngressのほうは合うかも知れませんよ。その際はぜひ、緑陣営でひとつよろしくお願いしますね。