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がくしだったりマイクロだったりすぎもとだったりするひとのメモとか。

リアル脱出ゲーム「竜王迷宮からの脱出」

体験型ゲーム イベント ドラクエ

現役ドラクエプレイヤーかつ謎解き好きっとしては、リアル脱出ゲーム×ドラゴンクエストのコラボイベントがある、と聞けば万難を排して行かざるを得ません。

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ぼくが参加したのは2日目(全3日間開催でした)の14時の回。チケットには時間が書いてありますが、制限時間はないとのこと。入場時間は入場者を分散させる程度の意味合いのようです。事前情報では、かなり歩き回るので歩きやすい格好できて下さい、とのこと。ふむふむ。今回、いっしょに行ったメンバーはかつてのミステリでの交友があった皆さんです(ドラクエ10プレイヤークラスタでもチケットがいくつかあまっていたようで、そちらのみなさんとも体験したかったんですが)

ご飯食べたりグッズ買ったり荷物預けたりして、気持ちを高めていきます。お守りに家にあったスライムのぬいぐるみも連れてきました。なんのお守りだよ。

入場列が思ったより長いなーなんて思いながら、入場!

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会場に入るなり、思ったことは、広い! そして、人が多い! これで半分かな。手前はフードのゾーン。ゆっくり謎解きしてね、というコトみたいです。奥と左側の裏に世界が広がってます。あちこちにドラクエ1をモチーフとした街や施設があって、そのあいだを大量の冒険者たちが右往左往してる、というの感じでしょうか。参加者は4人でパーティを組み、戦士・僧侶・魔法使い・遊び人の役割をわりふり、それぞれの冒険の書を受け取り、オープニングのストーリームービーを経て、いよいよ冒険が始まります。おお、これはたしかにRPGとしてのドラクエをさらにロールプレイしてる感じがありますね。すばらしい。

で。

さきにひとことで感想を書いておきますと、「すごーく楽しかったが、ひどく疲れた」です。心地よい疲れというものも世の中にはあるんだけど、今回は疲れのほうが勝る感じ。

今回のの公演は「ネタバレ禁止公演」ですが、ぼくはこちらに書いた「ネタバレの禁を破ってまでもレビューする」ことに書かれた考えのもと、以下、ネタばらしを行います。本公演はそれに耐えうる「作品」だと思っております。では、いざ。

【以下では、ネタをばらしながら感想を書いています。未参加の方はお読みにならないようお願いします】

さて、いいですかね。

これを読んでる人は既に体験した人だけ、で良いですかね。

さて、まず何を言っても、ドラクエの世界に入り込んで「ドラクエ風」の冒険をする、という意味ではカンペキに近いものだったと思います。施設に行ってクエストを受けて、それをこなす。おつかいの内容がなんか妙にどうでもいい感じなのも、まさにドラクエ。すばらしいです!

しかしながら、その「ローププレイ」はひとつ大きな阻害要因によって、ちょっと苦しいものになってしまった。それが残念でなりません。それは、会場を埋め尽くす人の多さです。もちろん興行なので人を1組しか入れないなんてことはナンセンスです。しかしながら、今回はちょっと入場させすぎではないか(露骨な言い方をすれば、チケットをたくさん売りすぎていないか)と思ってしまいました。お使いをするのに会場内を歩き回ることになりますが、その過程はただ人の多さによっておよそ快適とは言えないレベルにまでなっています。これ、3割くらい少ないだけでも違ったと思うんですよね。

さっき写真を貼りましたが、あれは入場直後の様子です。このときはそれでも人が少なかったんですよね。あとからあとから人が入ってきて、出る人が減らないのでどんどん混雑が増していきました。

たしかに、参加したいという人の声を積み重ねていったらこうなったというのも分かります。大人の事情で、利益を出すためにあるラインまではチケットを売る必要があったのかも知れません。であればお使いの部分をもう少し簡素化する形に出来なかったのかなあー、というのがありました。効率よく回れなかった場合の時間ロスがこの人混みによって増加し、冒険者の気力をうばいます。この「人の多さ」という要素はドラクエの世界感のどことも交わることは出来ず、世界感を盾に正当化することは難しい要素です。前述の通り、これが興行である以上ある程度は仕方ない、というのは十二分に理解した上で、この人の多さは批判しておきたいポイントです。

まあ、人の多さとか、手際の悪さみたいなのは参加者の体験に係わるとは言え、運営次第です。では、謎ときというコンテンツの出来はどうだったでしょうか。

難易度だけで言えばたいへん簡単でした。

構成としては、おつかいクエストをこなす前哨戦、制限時間のある竜王戦の2部構成でした。 おつかいクエストに関してはただ歩き回るだけで時間のほとんどを費やし、謎解きはほぼ一瞬でした。かろうじて時間をロスしたのは、「かつて探索したところにあったものを覚えているかどうか」で「忘れていた」ことによるロスです。これは得意不得意があると思いますが、ぼくがいちばん苦手とするものだし、ただたまたま覚えているかどうかでヒラメキと関係ないので本当はやめて欲しい要素なんですよね。もっとも、観察力も謎解きの力です、といわれればそれもそうなので、この要素をもってダメだと断ずることはできないとは思いますが……。

たまたま今回は「なんか急に安っぽくなってるよな」とツッコミをいれるために、そのものの写真を撮ってたために、途中で思い出すことが出来まし。ただ「記憶してるかどうか」というところと「光る宝箱」だったり「天井の文字を読む行為」だったりするのがあまりドラクエらしくないのもあいまってやや残念なポイントだったかな。たとえば、(一緒に参加していたメンバーがギミック予想をしていたネタですが)最初に通ったときは壁に見えていた黒い布は実は隣の部屋に繋がっていてそこから新たなヒントが得られる、とかだったら「おお、すいもんのカギだ!」みたいになったのになーと思ったりしました。ただ、レンガを読むところは良かったと思います(欲を言えば、マップ内で曖昧な場所にある施設が多くて、曖昧な場所にある施設を文字として読ませることはなさそうだな、っていうメタ推理で読むべき場所の想像がついちゃうところはややもったいないですかね)

冒険の書を各人に配ったのに、あまり各人ごとの分担が関係なかったのもちょっと期待外れでした。それぞれの職業ごとに物理的に分かれて何かをすると思ってましたが、そんなことはなくみんなでいっしょに職業ごとの謎解きをすることになりました。パーティ内で職業ごとに分かれることの謎解きにおける意味はないですね。みんなで解いていたのでつい他人の冒険の書に文字を書き込んでしまい「そこはぼくに書かせてよ!」とツッコまれてしまったのは秘密です。ただ、これは良し悪しで「誰かが誰かの足を引っ張る」という構図を産みたくなかったと考えれば、まあいいのかなとも思います。ロールプレイとしては十分意味があることでしょう。

さて、終盤の竜王戦のほうです。これは制限時間があることでとても緊張感がある内容になっていて面白かったと思います。

が。ここでもネックは人の数です。 ここでは冒険の書を各人が折ったあとにそれをひとつに組み合わせるというのをみんなでやれなければなりません。が、ぎゅうぎゅうで詰め込まれた会場で、映像を見ている状態でスタートしており、振り向くのも難しい状態です。このうえで時間制限まであっては、分かっていたのにうまくできなくて脱落、みたいなことが起きてたんじゃないかとさえ思えてしまいます。そして、待っているのは課金による延命……というのはうーん、ちょっと露骨すぎませんかい。

さいわい、ぼくたちのチームはああいう紙ものを受け取るとすぐに折ったりしてしまうという、いけすかない冒険者でした。なので、自分の紙の中ではアイコンの大きさが異なっていてそれだけでは折れないこと、をすでに知っていましたし、冒険の書の表紙のひび割れがロトの紋章になることも分かっていましたから、折った後に組み合わせることまで一瞬で辿り着き、竜王の初回攻撃中にゴールに向かうことが出来ました。これはまあ、ぼくたちの頭が良かったのであなく、ただ謎解きに慣れていただけという感じがします。しかし、この謎解きはなかなか面白かったですし、冒険者たちのチカラをあわせるという意味でもロールプレイ上の意味がしっかりしてます。はじめて触れた方も、折ったことであらたな文字が出てくると言うところには、けっこうオドロキと感動をもたらしたんじゃないでしょうか。

おそらく堀井雄二さんの「みんなが楽しめ、最後には竜王を倒せるように」というコンセプトがあったのでしょう、ここでは難易度調整に苦心した感じがあります。竜王戦のはじめに、冒険の書を半分に折った状態でスタートをさせていました。正直、「冒険の書を半分に折る」ことにはドラクエとしての意味づけが皆無です。ただ、謎解きのステップをひとつ教えただけ。これがもったいなさすぎる。前段にもうひとつステップがあって、なんらかの「ドラクエとしての意味づけ」をもったうえで、半分に折らせて入場させて欲しかったですが、前述の通り難易度調整が難しかったのでしょうね。

というわけで、細かい点で気になる部分はあるにせよ、竜王戦、よかったと思います。繰り返しますが、それだからこそ課金による延命はちょっと露骨すぎるので、あの仕組みは評価できませんが……。

ところで、2,3日目に行かれた方と1日目に行かれた方で違っている演出がありました。それは追加のクエストです。体験された方はなんか本編で使われなかった情報があちこちにあったと感じていたんじゃないかと思いますが、それはメダル王による追加クエストだったんですよね。竜王戦の手前に「いちど虹の橋を渡るとともう戻っては来られません」という注意書きがありました。それを見て、ぼくたちは「戻って来れないんじゃあ、追加クエストやるタイミングなくね?」と不思議に思ったんですよね。でスタッフさんに聞いてみたところ――そのスタッフさん対応しきれずに誰かを呼び出します。待つこと5分。ちょっと偉い方がいらっしゃって事情を説明して下さいました。「1日目はクリア後にも、アレフガルドに戻って現場で追加クエストをお楽しみいただけたんですが、戻ってくる方が多すぎたため、人数が大変なことになった。そのため、2日目からはお持ち帰りクエストにした」とのことでした。ということで、現場に書いてあった情報はすべて一枚の紙に集約され、それを受け取る形に変更されたのでした。

んー、これも、運営の手際の悪さというか、それチケット売った数から考えれば分かるんじゃないのと思うんですけど……。渡された追加クエストの解答用紙に書かれた「おうちでは解けません!」の文字列がむなしいです。はい、解答用紙だけ配って現地でヒントを集める想定だからこう書いてあったわけですね。追加クエストの謎解き自体はなかなかよかったです。これまた比較的簡単ですが、竜王戦でやったようなことの変奏曲のようなタイプで、よい謎解きだったと思います。それだけに会場で解けなかったのは残念。

といったところで、冒頭の感想に戻ります。

ドラクエの世界に入り込めたのはものすごく楽しかったし、これは何にも変えがたいものです。これだけでも、スクエニさん、SCRAPさんにはドラクエファンとして本当にありがとうございましたと言いたいです。

しかし、いっぽうで無闇に多い冒険者によって、疲れたし、興ざめだった部分もあったわけで、もし再演があるならそういうところを改善してもっと高みを目指して欲しいな、と思った公演でした(いやね、運営者側が自画自賛しちゃってるツイートが見えちゃったものですからね、気持ち分かるんですけど、もっと良くして欲しいってのもまたファンとしての願いですからね)

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ドラクエ最高!