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がくしだったりマイクロだったりすぎもとだったりするひとのメモとか。

カーター・ディクスン『殺人者と恐喝者』(創元推理文庫)

 とある秘密を抱えた夫婦。あるとき、なりゆきで妻ヴィッキー・フェインが催眠術にかけられることに。手もとにはゴム製のナイフ、空砲のピストルが用意されていた。催眠術師がナイフで夫を刺し殺せと命令したとき、事件は起きた。ゴム製だったはずのナイフが何者かにすりかえられていたのだ。誰が刺したかは明確なのに犯人が分からない事件。めちゃくちゃな回想録の口述の合間に、ヘンリ・メリヴェール卿事件にのりだす。

 ジム・ケリーからのカーですよ。この落差! バカさ半端ない!

 これって、原書房のヴィンテージ・ミステリで出るまでは国内でも品切れが続き、古書価もえらいことになってた作品だったんですよね。文庫化されてますます普通に読めるようになりました。てか、なんでぼくヴィンテージ・ミステリのほう読んでなかったんだろって感じですが、たぶん今回が初見です。

 さて、この作品はまず、アリかナシかで言えばナシです。解説でも指摘されていますが、普通にアンフェアです。バークリー、あんたは正しい。書きようによってはフェアにも出来たはずなのに、おもいきりアンフェアなまま出版されています。そりゃ絶版のままだよ。翻訳でがんばってますが、それでも無理がありますね。

 いや、これ、ほんと、ちょっと工夫すればフェアに出来るんですよ。なんかあんまりそこに興味なかったんですかね。それに無理矢理目をつぶれば(愛が必要)、そのあとの事件の構図はちょっと(いや、だいぶ)面白いのになー。あ、ナイフすりかえトリックはいつものバカトリックなのでおそらくみなさん大満足です(愛が必要)こういうのはですねあたまのなかで鮮明に映像化してあげるのが吉。

 はい、ひっくるめておもしろかった。